クスリとメロンとパレットと

私のTwitterを見て、「あれ、この人専業主婦っぽいのになんで子供を保育園に預けてるんだろう」と思われる方も多いと思います。息子が2歳になった頃、育児ノイローゼになり、「この状況から一刻も早く逃げ出したい」という気持ちになり、動悸と涙が止まらなくなってしまいました。
各方面に電話をかけまくってアドバイスを請い、まずは精神科を受診すること、先生に診断書を書いて頂いて保育園の入所手続きをすることを勧められました。それまでにも過労から無認可保育所に預けていたこともあり、無事小規模保育所に預けることができました。
ただ、それはゴールではなく、治療のスタートでもありました。抗鬱剤と精神安定剤を大量に飲み、休息して溜まっていた疲れを取る必要がありました。薬でとにかく寝倒したおかげで、ノイローゼの症状は軽くなりましたが、現在でもちょっとした出来事で気分が落ち込むことも多い状態です。

そんな私には気分転換の方法がいくつかあります。一つは絵です。アトリエに籠って絵を描いているだけで気分が落ち着いてくることはよくあります。ただ、最近は公募展に出品するなど、趣味の範疇を超えており、自分の未熟さに涙することも多いです。趣味とはいえ、少しずつ仕事のようになりつつあります。

私は芸能人の追っかけもせず、音楽も聞かず、漫画も殆ど読まず、意図的に社会から断絶した生活を送っていますが、絵以外でたった一つ、手帳に予定を書き込んで楽しみにしているものがあります。
それが囲碁です。
これもいつ始めたのかはっきりしないのですが、ある日夫と「夫婦の共通の趣味がないね」という話題になりました。
ちょうど渡辺明竜王とボナンザの対局を見ていた時だと思います。
夫は大学で将棋部に在籍していたほどの腕前で、私が今から勉強したのでは何枚落ちでも楽しく遊べるレベルにはならないと言います。それに比べると囲碁は夫もそれほど強くなく、すぐに五子ぐらいで遊べるようになるよと言うのです。
それで翌日ネットで囲碁のルールを調べて驚きました。なんだこの数学的な美しいゲームは!
無料のソフトで遊んだり、本を読んで勉強したり、夫にも教えて貰ったりしましたが、まずどこに打てばいいのか分からない。仕方なく近所のカルチャースクールの囲碁教室の門を叩きました。

最初の頃はプロ棋士にはあまり興味がなく(多すぎて覚えられなかった)、NHK杯などをぼんやり見ている程度でした。ある時、東大阪出身の若手棋士が打っているのを見ました。強いと噂されていたので、名前だけは知っていました。でもなんだか眼鏡もイマイチだし、寝癖ついてるし、この子ほんとに強いのかなあと思っていました。
寝癖はどんどんひどくなる一方で、テレビに出るんだからスタイリストさん直してあげればいいのにと思っていました。
秋になって名人戦が始まって、七番勝負を見るともなく見ていました。
寝癖はもはや芸術の域に達していて、どんな寝方をしたらこんな寝癖がつくんだろうと不思議でした。
第5局、遂に寝癖の彼が勝ちました。
局後のインタビューであの髪形が寝癖ではなかったことを知って、鼻から脳髄が出るほど驚きました。
強さとその寝癖みたいな髪形のギャップで完全にやられました。

それ以来大ファンになってしまったのですが、一つ困ったことがありました。
なぜか私が応援に行くと負けてしまうのです。
中継なども、テレビやパソコンに張り付いて応援した日に限って負けてしまう。
これはいけないと、絵でも描きながら時々Twitterのタイムラインを見るスタイルになりました。
ファンレターなどもたくさん届いているだろうなと、実はあまり送っていません。

観戦していて、おやつがメロンの時の勝率がかなり高いことに気づきました。
ある時天元戦で二連敗してしまい、いてもたってもいられなくなり、メロンの飴を送りました。
飴のお蔭ではないでしょうが、無事勝ってくれてほっとしたことを今でもよく覚えています。

今年、十段戦の挑戦者決定戦で、どうしても勝ってほしくて奮発してメロンを送りました。
でも、主催新聞社様のご意向でメロンは対局者には出されず、関西総本部の職員さんのおやつになりました。
あとで、こちらが恐縮するほど丁寧なお手紙と本が送られてきました。

関西総本部さんは、棋聖戦の準備で大忙しだった時に十段戦の主催新聞社さんへの問い合わせに追われ、さぞかし大変だったことと思います。後から、ご迷惑をお掛けしてしまったことに気づき、猛反省し、私は冒頭で述べたように精神的に不安定な状態で、冷静な判断もできない状態ですから、今後も何かしでかすかもしれませんし、もういっそ彼のファンであることを辞めようと決心し、扇子やクリアファイルを欲しい方にお譲りしました。そして関西総本部さんのTwitter担当の方に「ファンを辞めるのでご迷惑をお掛けしたことを許してください」とお伝えしたところ、「ファンを辞めないでください」と言われました。
Twitterのタイムラインでもぐずぐずとファン辞めると鬱ツイートしてたら大勢の方から「やめないで」と言われました。

もう自分の中では処理しきれなくなり、夫に相談しました。夫はすぐ「鬱で頭沸いてるな」と気付いたらしく、こう言ってくれました。
「知らんけどそんなんよくあることなんちゃうんか? イケメン棋士や美人棋士に物送ってくるファンなんていっぱいおるんちゃうの。でも、級位者とは言えちゃんと囲碁が打てて、七冠がかかってるからとかのにわかじゃなくてずっと前からのファンで、真面目に応援しようとメロン送ってきて迷惑かけたからファン辞めるとか言われたら、大事なファンやから僕やったらファン辞めないでくださいってお願いするわ」
それでようやく目が覚めて、ああ碁打ちは優しいな、みなさんありがとう、と思ったのでした。

というわけで今ファンレターを描いています。文章が下手なので絵です。
寝癖の彼は、今や「東大阪の」や「日本の」どころか「世界の」になりつつある井山裕太六冠です。

彼が勝ってくれると精神の状態も少し安定します。
もはや私の病状の行く末は彼が握っていると言っても過言ではありません。

最後に各棋戦主催者様にお願い申し上げます。
おやつはメロン! 六冠のおやつはメロンでお願い致します!

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巨人の肩を目指せ

今年初めての教室に行ってきました。
年末年始は息子がずっと家にいて殆ど制作できなかったため、保育園が始まってから必死のパッチで先生にチェックして頂けるところまでこぎつけました。

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前回、右端に柱を入れなさいと言われたのですが、どのへんにどんな色の柱を描けばいいのか分からなかったため、描かずに見て頂き、ご指導頂きました。

それにしても肌の色って難しいですね。多分一生悩み続けるんじゃないでしょうか。
夫がまるで死体のようです(笑)。

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毎度おなじみの美術解剖学。結構たまってきました。一年くらい経ってから見返してムフフってしたいw

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中ばかり描いてても、ということで模写も始めました。
古典技法なども勉強して巨人の肩に乗りたいのですが、まだ巨人の足元にも到達していませんので、まずは巨人の肩にどうやって登るか考えなくては。なんか進○の巨人みたいだなw


当サイト、ちょびっとリニューアルしました。
固定ページをなくして、全てブログポストにし、小説置き場を作りました。
今描いてる100号を出品したら第2作に着手しますー。

私のお道具

あけましておめでとうございます…と言うにはちょっと遅いですが、旧年中は皆様の応援のお蔭で日洋会の会友に推挙して頂くことができました。ありがとうございました。これからも精進して参りますので、本年もよろしくお願い致します。

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恒例の(?)お道具紹介です。
毎年ごろごろと入れ替わっていたリミテッドパレットはそろそろこれに落ち着きそうです。
白はW&Nのアンダーペインティングホワイトとホルベインのチタニウムホワイトを適当に混ぜます。
理由はアンダーペインティングホワイトにはジンクホワイトがどうもかなりの量混ぜてあるらしく青みが強すぎるのと、隠蔽力が足りないからです。
赤はベネチアンレッド、黄色はナチュラルオーカーライト、青はセルリアンブルー、茶色はローアンバー(すべてクサカベ)。ローアンバーはブリードを心配して使わない方も多いですが、褐色としても、暗い黄色、暗い緑としても使える万能な色で、私は手放せません。
画用液は手製のサンシックンドリンシード、シッカチフ、ペトロールです。

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こちらはドローイングの道具。
紙に穴を開けて綴じた手製ミニスケッチブックに、青鉛筆で骨格、赤鉛筆で筋肉、鉛筆で表皮や服を描き、シグノRT1 0.28ミリや顔料インクを入れた万年筆でペン入れをします。顔料インクは何種類か持っていますが、プラチナのカーボンに落ち着くと思います。


囲碁小説、ようやく年末にUPしました。
思っていたより反響があり、たくさんの方からご感想を頂きました。読んで下さった皆様、ご感想を下さった皆様、ありがとうございました。
私の小説が良かったというより、囲碁クラスタは囲碁の出てくる小説や漫画に飢えています。
出版社・作家の皆さん、囲碁は狙い目ですよ! 入れ食い状態です! 是非企画してください!
今描いている100号を出品したら2作目に着手予定です。
こちらのほうも応援よろしくお願いします!